1000mTTで、「最初に飛ばしすぎると後半垂れてしまうから、最初は力を温存して後半に頑張ろう」と思っている人はいませんか?
実はこれってタイムを出す上では、「あまり意味のない温存」なんですよね。
今回は、その理由をスポーツ科学の根拠に基づきお話しします。
この記事を読めば、1000mTTの0-200m区間で「一切温存せず、最短でトップスピードに乗せるのが理想的である理由」がはっきりとわかりますよ。
最初の200mで「置きに行ってはいけない」生理学的理由
1000mTTにおいて、前半で脚を溜めて後半に備える(ペーシング)という戦略は、生理学的に成立しません。 自脚系の人が好むペース走のことですね。
人間の体は、スタートからの数秒間、筋肉内に貯蔵された**クレアチンリン酸(ATP-CP系)というエネルギーを使って動きます。
このエネルギーの最大の特徴は、「筋肉に急激な疲労(脚の張り)を起こすことなく、人間の出せる100%の爆発力を発揮できる」という点です。
しかし、この人間が最大出力を出せる「ボーナスタイム」は、運動開始からわずか8秒〜10秒で枯渇します。
つまり、最初からぶっ飛ばそうが、後からぶっ飛ばそうが、無酸素エネルギーの最大出力は8秒〜10秒しか持ちません。
後から全力を出そうとしても、トップスピードに乗るのが遅れるだけで、タイムは「温存した(手を抜いた)分だけ」確実に落ちます。
結果として、「発走機から200mのタイムがいつもより遅いのに、200-400mのタイムはいつもと同じ」というもったいない現象が起きてしまいます。
「90%でキープする」戦略の大きな罠
「いや、私はずっと90%から95%をキープして走り続けるために温存してるんだ。最大出力は出さないよ。」
という反論もあるかと思います。
しかし、今よりもさらに良いタイムを出すにためには、「最短でトップスピードに乗せ、そのトップスピードをキープして平均速度を上げる」のが正解なのではないでしょうか。
エンデヴァーも言っていました。
「現状維持は後退と同義」
さらに、最初に一気にトップスピードまで乗せてしまえば、自転車の「慣性の法則(動いている物体はそのまま等速直線運動を続ける性質)」が有利に働きます。
スピードに乗ってしまえば、ゼロから加速するような巨大なパワーは必要ありません。
あとは極限まで空気抵抗を減らし、ペダリングの回転効率を維持するだけで、スピードは維持できます。
トップスピードを出すことは、きついことのようで実は楽をする行為なんです。
1000mを楽に走るために、最初から突っ込んでみてください。
1000mTTになると緊張して力が入らなくなり、力を入れられない、全力が出せないという人はこちらの記事を読んでみてください。問題が解決するかもしれません。

まとめ
「出力を出し惜しみすること」は温存ではありません。
それはただの「手抜き」です。
最初の200mで、「もうこれで終わってもいい。だからありったけを!!!」という気持ちで突っ込んでみてください。
1000mTTのタイムが更新できるかもしれませんよ!


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